イケてる写真、無断でブログに載せたら「著作権」侵害で即アウト!

ここで学べる学習用語:著作権, 著作者, 著作物, 著作者人格権, 著作隣接権
第40回: イケてる写真、無断でブログに載せたら「著作権」侵害で即アウト!
ビジラボのWebサイトやSNSで使う画像、ネットで見つけた「いい感じ」のものを軽い気持ちで使っていませんか? 実はそれ、重大な「著作権」侵害かもしれません。今回の法務奮闘記では、青木がブログ記事の画像を無断転載しようとして、神崎メンターから「著作権」という、創作と同時に発生する強い権利の怖さを徹底的に叩き込まれます。「ネットは無法地帯」なんて思い込みは、今すぐ捨ててください!
まさかのトラップ!俺のブログ記事が「違法行為」に?
「よし、ビジラボの知名度をもっと上げるぞ!」
俺、青木健一は、気合を入れてPCに向かっていた。最近、サービスの認知度も上がってきて、新規ユーザーからの問い合わせも増えてきた。この勢いをさらに加速させるには、コンテンツマーケティングが重要だ。その一環として、公式ブログ記事の投稿に力を入れている。
「前回の商標権の話じゃないけど、ビジラボの名前は神崎さんに守ってもらった。でも、今度は中身のコンテンツをどうするかだ…」
たしか、前々回(第38回)ではUIデザインを「意匠権」で守れるって話も聞いた。コンテンツそのものにも、何か法律が関係してくるんだろうか? まあ、とりあえずは最高の記事を作ることが先決だ。
「うん、記事の内容は完璧だ。あとは、読者の目を惹きつける『最高のビジュアル』さえあれば…!」
そう思い立った俺は、ブログ記事に挿入する画像を探し始めた。キーワードをいくつか打ち込み、画像検索の結果をスクロールしていく。写真素材サイト、個人のブログ、ニュース記事…ありとあらゆる画像が目に飛び込んでくる。
「おおっ、これだ!これ、めっちゃイケてる!サービスの世界観にもぴったりじゃん!」
俺の視線は、思わず唸ってしまうほどクオリティの高い一枚の写真に釘付けになった。洗練された構図、絶妙な光の加減。こんな写真を使えば、記事のクオリティが何倍にも跳ね上がることは間違いない。俺のテンションは最高潮に達した。
「よし、これ、ダウンロードして使わせてもらおう!」
俺は何の躊躇もなく、その画像を自分のPCに保存した。その瞬間、俺の脳裏にはこんな甘い考えが浮かんでいたんだ。
「ネットに上がってる画像なんて、みんな自由に使ってるだろ?別に自分で撮ったわけじゃないけど、特に利用料とか書いてないし。著作権とかって、なんか面倒な手続きして登録しないと発生しないんだろ?どうせ大丈夫っしょ!」
今思えば、なんて無知で、なんて無責任な思考だったんだろう。当時の俺は、自分の情熱が「無法地帯」という誤った認識の上で暴走していることに全く気づいていなかった。俺は満面の笑みで、ダウンロードした画像をブログ記事の編集画面にドラッグ&ドロップしようとした。
その時だった。背後からひょっこり現れた、ビジラボのエンジニア、田中翔が、俺の手元を覗き込んできた。
「社長、その写真…もしかして、フリー素材ですか?」
田中は、俺が見つけた「イケてる写真」を見て、少し困惑したような顔をしている。
「え?いや、フリー素材ってわけじゃないけど、ネットで見つけたやつだよ。どうした?」
俺は田中の反応に首を傾げた。田中は眼鏡の奥で不安そうに目を瞬かせた。
「なんか…すごくプロっぽい写真なんで、もしかしたら著作権とか、あるんじゃないかなって…」
田中の言葉に、俺は軽く笑い飛ばした。
「ハハッ、著作権ねぇ。そんなの、よっぽど有名人が作ったやつとか、ちゃんと登録されてるやつにしか関係ないだろ?俺たちが使う分には大丈夫だって!」
俺は軽く言ってのけた。だが、田中の表情は晴れない。彼は何か言いたげに口を開きかけた、その時だった。
「青木さん、その認識は『致命的に危険』です。田中さんの言う通り、その写真が他者の著作物であるならば、あなたは今、まさに『著作権侵害』という重大な法務リスクに直面していますよ」
背筋が凍るような、それでいて、どこか涼しげな声が、俺の背後から聞こえた。振り返ると、そこにはいつものように腕を組み、表情一つ変えずに佇む神崎さんの姿があった。俺の手は、画像のドラッグ&ドロップを途中で止めたまま、完全にフリーズした。
「創作の瞬間」に生まれる権利。俺、大ピンチ!
「え…ちょ、神崎さん!何言ってるんすか!?俺、何も悪いことしてないっすよ!」
俺は思わず声を荒げた。だって、ブログ記事に使う画像を選んでただけだ。それのどこが「致命的に危険」だっていうんだ?
神崎さんは俺の狼狽ぶりに全く動じることなく、淡々と言葉を紡いだ。
「悪いことをしていない、という認識そのものが誤っています。青木さん、著作権について、あなたはどのような認識をお持ちですか?」
「著作権、ですか…?えっと、なんか、本とか音楽とか作った人が、国に登録するやつですよね?で、許可なく勝手に使ったら怒られる、みたいな…」
俺は、頭をフル回転させて、昔テレビで聞いたか、ネットでかじったか程度の知識を必死に引っ張り出した。たしか、なんか申請が必要とか、そんな話だったはずだ。
神崎さんは、ゆっくりと首を横に振った。
「残念ながら、青木さんの認識は根本的に間違っています。日本の著作権法は、著作物が『創作された瞬間』に自動的に著作権が発生する、という『無方式主義』を採用しています。つまり、国への登録や申請は一切不要。作者が『これを作ったぞ』と思ったその瞬間に、権利はすでに存在しているのです」
「ム…ムホウシキシギ…!?」
俺は聞いたことのない専門用語にさらに混乱した。国への登録が不要?作った瞬間に発生?そんなバカな。じゃあ、世の中のすべての文章、写真、絵、音楽…全部に、作った人が知らないうちに著作権が発生してるってことか!?
「マジっすか!?じゃ、じゃあ俺が今、このブログ記事を書いているこの文章にも、俺の知らないところで著作権があるってことですか!?」
俺が恐る恐る尋ねると、神崎さんは静かに頷いた。
「ええ、その通りです。それが『著作権』という権利の、非常に強力な特性です。そして、あなたが今、ウェブ上で見つけたその写真を無断で利用しようとした行為は、その写真の『著作者』が持つ、様々な権利を侵害する可能性をはらんでいます」
俺の頭の中で、ガラガラと何かが崩れ落ちる音がした。ネットの画像はフリー素材感覚で使っていい、なんていう俺の甘い考えは、完全に間違っていた。ブログに載せようとしていた「イケてる写真」は、実は「地雷」だったのだ。
俺は目の前のPC画面に表示された、ダウンロード寸前のその画像を、まるで爆弾でも見るかのような目で凝視した。神崎さんの言葉は、まるで冷静な法務のメ刃のように、俺の無知を切り裂いていった。
「うわあああああ、ヤベェェェェ!!」
俺は両手で頭を抱え、オフィス中に響き渡るような声を上げた。まさか、たかがブログ記事の画像一つで、こんなにも大きな問題に発展するとは。スタートアップの経営って、本当に落とし穴だらけだ…。
神崎の法務レクチャー:「著作権」の奥深さとスタートアップのリスク
神崎さんは、混乱する俺の目の前で、タブレットを操作しながらプロジェクターに資料を映し出した。
【神崎の法務レクチャー】
「青木さん、落ち着いてください。あなたの驚きは理解できます。多くのビジネスパーソンが、著作権について誤った認識を持っています。しかし、コンテンツが価値を持つ現代において、著作権は最も重要な知的財産権の一つです。ビジラボのようにコンテンツを発信していく事業にとって、これは避けて通れない知識となります」
神崎さんはそう前置きすると、スクリーンに映し出された図を指差しながら、一つ一つ丁寧に解説を始めた。
「まず、『著作権』とは、簡単に言えば『表現されたアイデア』を保護する権利のことです。法律上は、文化的な創作活動の成果物である『著作物』を創作した『著作者』に対して与えられる権利と定義されます」
【神崎の補足解説】著作権(ちょさくけん)とは?
思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものを「著作物」といい、この著作物を創作した者を「著作者」といいます。著作権とは、著作者が自分の著作物に対して持つ権利の総称です。これがビジラボ(スタートアップ)において具体的にどう影響するかというと、あなたの会社のブログ記事、ウェブサイトのデザイン、SaaSのUI/UX、開発したプログラムのコード、そしてあなたが撮った写真や書いた文章のすべてが「著作物」となり得ます。つまり、著作権は「あなたが他者のものを無断で使ってはいけない」という守りの側面だけでなく、「あなたの会社の重要な資産を守るための攻めの権利」でもあるのです。
「そして先ほども申し上げた通り、日本の著作権法は『無方式主義』を採用しています。著作権は、著作物が『創作された瞬間』に自動的に発生し、登録や申請といった特別な手続きは一切必要ありません。これは、特許権や商標権のように、出願・審査・登録というプロセスを経て初めて権利が発生する他の知的財産権とは大きく異なる点です。青木さんが見つけた『イケてる写真』も、それを撮影した瞬間に、その写真家の方に著作権が発生しているのです」
俺は「ぐぬぬ…」と唸った。まさか、そんな強力な権利が、誰にも知られずに、作った瞬間に発生しているなんて。知らなかったでは済まされない世界だ。
「その著作者、っていうのは、じゃあ誰でもいいんすか?俺でも?」
「ええ、もちろん青木さんも、あなたが書いたブログ記事の著作者になり得ます。ただし、『著作物』として保護されるには、いくつかの要件があります。『思想又は感情を創作的に表現したもの』であること。単なる事実の羅列やデータ、ありふれた表現は著作物とは認められません。例えば、『晴れ』という天気予報は著作物ではありませんが、それをもとにあなたが書いた詩や小説は著作物となり得ます。また、『AIが自動生成しただけのもの』が著作者になり得るか、という議論も現在進行中です」
「なるほど…。じゃあ、その『著作権』っていうのは、具体的にどんな権利の集まりなんすか?」
俺はまだ混乱しつつも、神崎さんの話に食い入るように耳を傾けた。これは、ただのルールじゃない。ビジラボの未来に関わる、重要な知識だ。
「著作権は、大きく分けて二つの性質を持つ権利の束だと理解してください。一つは『著作者人格権』、もう一つは『著作財産権』です。この二つは、たとえ著作権を譲渡したとしても、その扱いが大きく異なります」
スクリーンには、『著作者人格権』と『著作財産権』の比較表が映し出された。
「まず『著作者人格権』ですが、これは著作者固有の、精神的な利益を保護する権利です。具体的には、『公表権』『氏名表示権』『同一性保持権』の三つがあります」
公表権(こうひょうけん): 自分の著作物を世の中に公表するかどうか、いつ、どのような形で公表するかを決定できる権利です。
氏名表示権(しめいひょうじけん): 自分の著作物を公表する際に、自分の名前(実名またはペンネーム)を表示するかどうか、または表示しないかを決定できる権利です。
同一性保持権(どういつせいほじけん): 自分の著作物の内容や題号を、勝手に改変されない権利です。例えば、あなたが書いたブログ記事の表現や言葉遣いを、他人が勝手に書き換えたり、意図しない解釈を加えたりすることはできません。
「これらの著作者人格権は、著作者の一身に専属するものであり、他人に譲渡することはできません。例え著作物を売却しても、その著作物に対する作者の精神的な権利は、永遠に著作者に帰属するのです」
「え、じゃあ、俺が書いた記事をもし誰かに売ったとしても、勝手に内容を変えられたり、俺の名前を消されたりしたら、文句言えるってことですか?」
「その通りです。だからこそ、コンテンツを扱う際は、たとえ正規に購入したものであっても、安易に改変してはいけないのです」
神崎さんは続ける。
「次に『著作財産権』です。こちらは、著作物を利用することによって得られる経済的利益を保護する権利で、他人に譲渡したり、許諾したりすることが可能です。例えば、『複製権』『公衆送信権』『上映権』『演奏権』など、多岐にわたります」
複製権(ふくせいけん): 著作物を印刷、写真、コピー、録音、録画などによって複製できる権利です。あなたがダウンロードしようとした行為は、この複製権の侵害にあたります。
公衆送信権(こうしゅうそうしんけん): 著作物をインターネットなどを通じて公衆に送信できる権利です。ブログに画像をアップロードする行為は、この公衆送信権の侵害にあたります。
上映権(じょうえいけん)・演奏権(えんそうけん): 映画や音楽を公衆に見せたり聞かせたりできる権利です。
譲渡権(じょうとけん): 原作や複製物を譲渡できる権利。
貸与権(たいよけん): 複製物を貸し出す権利。
「あなたがダウンロードしてブログにアップロードしようとした行為は、まさにこの『複製権』と『公衆送信権』という、著作者の最も基本的な著作財産権を侵害する行為に他なりません」
俺は、頭を抱えながら、自分の無知さに打ちひしがれた。一つ一つの行為が、こんなにも多くの権利を侵害する可能性があるなんて。
「そして、もう一つ、知っておくべき重要な権利があります。『著作隣接権』です。これは、著作者ではないが、著作物の伝達に重要な役割を果たす者(実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者など)に与えられる権利です」
「例えば、歌手が歌を歌う『実演』には『実演家』の権利が、その歌を録音した『レコード』には『レコード製作者』の権利が、それぞれ発生します。これらは著作権とは別の権利ですが、著作権と同様に保護され、無断利用は許されません。あなたがもし、ブログに既存の音楽や映像を勝手に利用しようとした場合、著作権だけでなく、この著作隣接権も侵害する可能性があります」
「は、はあ…もう、なんか複雑すぎて、何がなんだか…」
俺は完全にキャパオーバーだった。単に「著作権」という言葉だけ知っていたが、その実態はこんなにも多岐にわたり、そして強力な権利の塊だったなんて。
「著作権侵害は、非常に重い責任を伴います。損害賠償請求はもちろんのこと、著作物の利用差し止め請求、さらには刑事罰の対象となる可能性すらあります。スタートアップの信用問題にも直結します」
神崎さんの言葉は、俺に深く突き刺さった。もし、あの「イケてる写真」を無断で使ってブログを公開していたら…。そしてそれが、その写真の著作者に見つかっていたら…。想像するだけで、ゾッとする。
「特に注意すべきは、インターネット上のあらゆるコンテンツです。ウェブサイトの文章、他社のロゴ、有名人の顔写真、流行の音楽、動画。これら全てに、何らかの著作権や著作隣接権、あるいは肖像権といった権利が絡んでいます。安易な利用は、企業の命取りになりかねません」
「じゃあ、俺たちはどうすればいいんすか!?何も使えないじゃないですか!」
俺の悲痛な叫びに、神崎さんは静かに答えた。
「対策はあります。一つは、自分で全てを創作すること。二つ目は、著作者から『利用許諾』を得ること。三つ目は、商用利用可能な『フリー素材』や『有料素材』を、その利用規約に沿って正しく利用すること。そして四つ目は、『著作権が消滅した』著作物を利用することです。著作権は、原則として著作者の死後70年で消滅します」
「『フリー素材』や『有料素材』であっても、利用規約の確認は必須です。特に『商用利用可能か』『改変可能か』『クレジット表記は必要か』といった点は、細かく確認する必要があります。利用規約は、著作者からの『利用許諾条件』なのですから」
神崎さんはそう締めくくった。俺の頭の中は、今度こそ完全に整理された。ネットは無法地帯じゃない。むしろ、権利の宝庫であり、地雷原でもある。それを知らずに足を踏み入れることは、まさに自殺行為だったんだ。
「情熱」だけじゃダメ!俺の言葉で理解する「著作権」の重み
神崎さんのレクチャーを受け、俺は自分の無知さに呆れつつも、急速に理解を深めていった。
「要は…ネットに上がってるからって、勝手に人の写真とか文章とか使っちゃダメってことっすよね?俺が書いたブログの記事も、俺が作ったUIのデザインも、誰かが勝手に使ったら著作権侵害になるってことか…」
俺は自分の言葉で、神崎さんの解説を反芻した。まだ少しズレがあるかもしれないが、核心は掴めているはずだ。
神崎さんは、ふむ、と頷いた。
「ええ、その理解で結構です。そして、青木さんが今おっしゃったように、著作権は『あなたが他者のものを無断で使ってはいけない』という守りの側面だけでなく、『あなたの会社のコンテンツやアイデアを守るための攻めの権利』でもあるのです」
「攻めの権利…!」
俺の胸に、新たな熱いものがこみ上げてきた。そうだ、ビジラボは自分たちのサービスを世界に広めていく。その中で、ブログ記事も、Webサイトのデザインも、SaaSのUI/UXも、プログラムのコードも、すべてが俺たちの「創作物」だ。それらが何の保護もなしに、他社に簡単に模倣されたり、悪用されたりしたら…。想像しただけでゾッとした。
「これまで作ったビジラボのサービス、もし他社にパクられたら…って考えると、ゾッとしますね。著作権って、クリエイターが汗水流して生み出したものを、ちゃんと守ってくれるルールなんだな…」
「その通りです。だからこそ、あなたは自社の著作物をどう保護するか、そして他者の著作物をどう尊重するか、という両面から、著作権の知識を経営に活かす必要があります。これからは、コンテンツを作成する際、まず『これは誰の著作物か?』『利用許諾は得られているか?』『利用規約は守られているか?』という視点を必ず持って検討してください」
神崎さんの言葉は、単なる注意喚起ではなかった。それは、スタートアップの未来を守るための、重要な指針だった。俺は、これまで「情熱」と「勢い」だけで突っ走ってきたが、これからは「知識」という羅針盤も必要だと痛感した。
「田中、さっきの写真、本当に危なかったな。ありがとう。フリー素材とか有料素材って、ちゃんと規約を読まなきゃダメなんだな…」
「はい、社長。僕もちゃんと見極められるように勉強します」
田中もまた、今回の件で著作権の重要性を肌で感じたようだった。俺はPCに向き直り、ダウンロードしようとしていたその画像を削除した。
「ヤベェ、著作権、マジでヤベェ。でも、この知識、今の俺には絶対に必要だ。これからは、コンテンツを扱う以上、著作権は避けて通れない!ちゃんと学んで、ビジラボのコンテンツを守りつつ、正しく創造していくぞ!」
俺は改めて、決意を胸に刻んだ。
ブログ記事で学ぶ、小さな一歩。著作権は「攻め」の武器にもなる
ブログ記事の画像選定は、一旦振り出しに戻った。俺はすぐに、商用利用可能なフリー素材サイトを探し直し、その利用規約を隅から隅まで読み込んだ。これまでなら見向きもしなかった「利用条件」や「クレジット表記の有無」といった項目を、真剣な眼差しで確認していく。
「ふう…これなら大丈夫だ。ちゃんと規約通りに使えば、問題ない」
選んだ画像は、先ほどの「イケてる写真」とは違うものだったが、規約に沿って使用することで、安心してブログを公開できる。この小さな一歩が、ビジラボの、そして俺自身の法務リテラシーを一段階引き上げてくれたように感じた。
著作権は、単なる「守りのルール」ではない。自分の情熱を形にした「創作物」を、他者からの侵害から守るための「攻めの武器」にもなる。このことを肌で感じた俺は、経営者として、また一歩成長したのだと実感した。俺は、この学びを胸に、これからもビジラボのサービスとコンテンツを守り、発展させていくと誓った。
2. 記事のまとめ (Summary & Review)
📚 今回の学び(神崎メンターの総括)
[学習ポイント1]: 著作権は「創作の瞬間」に自動発生する(無方式主義)。国への登録や申請は不要で、創作者が知らなくても権利は存在します。インターネット上の画像、文章、音楽、動画など、ほとんどのコンテンツに著作権が発生していると認識することが重要です。
[学習ポイント2]: 著作権は「著作者人格権」と「著作財産権」の二面性を持つ。「著作者人格権」(公表権、氏名表示権、同一性保持権)は著作者固有の精神的権利で譲渡不可。「著作財産権」(複製権、公衆送信権など)は経済的利益に関わる権利で譲渡や許諾が可能です。無断利用はこれらを侵害します。
[学習ポイント3]: 著作権侵害は重大なリスクを伴う。損害賠償、差止請求のほか、刑事罰の対象となることもあります。スタートアップはWebサイト、SNS、サービスUI/UX、プログラムコードなど、あらゆるコンテンツで著作権に関わるため、フリー素材や有料素材も必ず利用規約を確認し、正しく利用することが必須です。
今週のリーガルマインド(神崎の教訓)
「青木さん、インターネットは広大な情報源であると同時に、膨大な知的財産の宝庫です。そこに無知のまま足を踏み入れることは、ライセンスの無い車で高速道路を走るようなもの。あなたの情熱を正しく『表現』し、そして『保護』するためにも、著作権というルールブックを熟読し、安全な航海術を身につけてください。」
💭 青木の気づき(俺の学び)
「マジでビビった…。ネットに落ちてるもんは、勝手に使っていいって思ってた俺がアホだった。著作権って、なんか面倒な手続きが必要だと思ってたけど、作った瞬間に発生するってのが一番の衝撃だ。これで、俺が書いたブログの記事とか、田中の書いたプログラムのコードも、ちゃんと守られるってことだよな?これからは、他人のコンテンツを尊重しつつ、ビジラボのコンテンツもちゃんと守る。攻めと守りの両方で、著作権を経営に活かしていくぞ!」
3. 次回予告 (Next Episode)
無事に著作権の地雷を回避し、ブログ記事を公開できた俺。しかし、そんな安堵も束の間、ビジラボに不穏な影が忍び寄っていた。退職した元社員が、どうやら競合他社を立ち上げたらしい、という情報が入ってきたのだ。「まさか…ビジラボの顧客リストとか、サービス開発のノウハウとか、持ち出しやがったんじゃないだろうな!?」俺の胸に疑念が渦巻く。神崎さんは冷静に「青木さん、それは『営業秘密』の問題に発展する可能性があります」と告げた。果たして、ビジラボの秘密は守られるのか?
次回: 第41回 「秘密」の守り方! 営業秘密と商品形態の模倣

