カネ払わないなら、納品したサーバ、持って帰ります!「留置権」発動!

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ここで学べる学習用語:物的担保, 物権, 留置権, 先取特権


第46回: カネ払わないなら、納品したサーバ、持って帰ります!「留置権」発動!

前回の第45回で、神崎さんから「担保」という言葉の重みを教わったばかりの俺。保証人という「人」に頼る「人的担保」の話は、経営者としてのリスク管理の重要性を痛感させてくれた。だが、今回はさらに状況が悪かった。納品したばかりのシステムが、まさかの未払い。しかも、連絡しても曖揄を繰り返す相手に、俺の情熱もさすがに限界だ。「俺が作ったサーバーを、このままタダで使われるなんて…!引き揚げてやる!」衝動的にそう思った俺を、神崎さんが「青木さん、それ『留置権』の概念に近いですね」と、新たな回収の切り札を提示してくれたのだった。


1. 激震!未払い代金、サーバーは俺たちのものなのか?

「くそっ、また電話に出ねぇ!」

インキュベーションオフィスの片隅、俺の声が響き渡った。壁に貼られたホワイトボードには、俺たちの未来が描かれているはずなのに、今は不安でしかない。田中と斉藤が心配そうな顔で俺を見ている。

「社長、まだテックイノベーションさん、繋がらないんですか?」斉藤が眉を下げて尋ねた。 「ああ。メールも無視、電話も留守電。担当者も役員も全員だ。まるで会社ごと雲隠れしたみたいだ…!マジで勘弁してくれよ…」

「テックイノベーション」。中堅どころだが、業界内ではそこそこ名の通った企業だった。先月、彼らの基幹システム刷新案件を受注し、俺たちは全力で開発、そしてサーバーの設置まで終えたばかりだった。納品物も完璧。検収も完了し、あとは請求書通りに代金が振り込まれるだけ、のはずだった。

なのに、約束の支払期日を1週間過ぎても、一向に入金がない。最初のうちは「経理のミスですかね?」「担当者が出張中で…」と、向こうの営業担当から弁解めいたメールが来ていたが、それもここ数日途絶えた。

「システムはもう稼働してるんですよ…?これで代金払わないって、どういうことなんだ!」 俺の胸には、怒りと焦りがごちゃ混ぜになって渦巻いていた。徹夜続きで作り上げた田中たちの汗と結晶、そして俺が必死で漕ぎ着けた初めての大口案件。それが、たった一つの「未払い」で、全てが泡と消えそうになっている。

「斉藤、ビジラボの口座、残高は?」 「はい、潤沢とは言えません。この案件の費用も先行して払っていますし、次の給与支払いも…」 斉藤の声が、俺の不安をさらに掻き立てる。まさに会社の生命線だ。

「俺、あそこのオフィスまで行って、直接交渉してきます!なんでもいい、システム止めてやる!」 半分ヤケになった俺は、勢いよく席を立った。そんな俺を、斉藤が慌てて呼び止める。 「社長!ちょっと待ってください!それは…まずいんじゃないですか?勝手にシステムを止めたり、サーバーを引き揚げたりしたら、こっちが逆に訴えられちゃいますよ!」 「でも、このままじゃ俺たちが潰れるだろ!作ったものを取り返すくらい、当然の権利じゃねぇのかよ!」

俺は正直、途方に暮れていた。第45回で神崎さんから「人的担保」の話を聞いた時は、契約前のリスクヘッジの重要性を学んだつもりだった。だが、今回はもう契約は完了している。しかも、形ある「物」であるサーバーまで納品済みだ。物理的に目の前にあるのに、それがもう俺たちのものじゃないなんて、納得できなかった。

「俺たちが納品したサーバー、もう俺たちのものじゃないってことか…?クソッ、マジでどうすりゃいいんだよ…!このままじゃ、泣き寝入りするしかないのか…?」 ギリギリと奥歯を食いしばる。情熱だけじゃ、ビジネスは回らない。法律を知らなければ、こうして理不尽な目に遭わされるのか。 そんな俺の絶望を見かねたのか、斉藤が小さく呟いた。 「…神崎さんに、相談してみませんか?こういう時こそ、何か手立てがあるかもしれません」 その言葉に、藁にもすがる思いだった。

2. メンターの警鐘!「物的担保」という切り札

数分後、神崎さんが俺たちの席にやって来た。いつものように冷静な表情で、俺の話を全て聞き終えると、一つ頷いた。 「なるほど。テックイノベーション社からのサーバーシステム代金の未払いですね。しかも連絡が途絶えていると。これは厄介な状況です」 神崎さんの言葉に、俺はますます焦燥感が募った。

「神崎さん!俺、もう我慢の限界っすよ!あいつら、俺たちが作ったサーバーを、タダで使おうとしてるんですよ!こんなのってないっすよ!せめて、あのサーバー、取り返したいんですけど…やっぱりダメなんすか?」 俺は前のめりになって訴えた。

神崎さんは俺の訴えを遮らず、静かに聞いていた。そして、ゆっくりと口を開いた。 「青木さんの仰る気持ちはよく分かります。しかし、斉藤さんの言う通り、安易にシステムを停止させたり、サーバーを回収したりすることは、かえってビジラボ側が契約違反を問われる可能性もあります。まずは冷静に、法的に何ができるかを考えましょう」

俺は肩を落とした。やっぱり、自力での回収は難しいのか…。 「前回、私たちは『人的担保』について学びました。債務者自身が約束を破った場合に備え、第三者に『保証』してもらうことで債権回収の安全性を高める方法でしたね」 神崎さんが前回の内容に触れた。

「はい、連帯保証とか。もし今回の契約で連帯保証人つけてたら、その人に請求できたってことですよね…」 「ええ。ですが、残念ながら今回はそうではなかった。そこで、次に考えるべきは『物的担保』という概念です」

「ブツテキタンポ?」 聞き慣れない言葉に、俺は首を傾げた。第45回で学んだ「担保」という言葉は、まだ頭に残っている。だが、「人的」と「物的」で何が違うんだろう?

「そうです。人的担保が『人』の信用を担保にするのに対し、物的担保は『物』の価値を担保にするものです。そして、青木さんが今、直感的に『サーバーを取り返したい』と思われた、その『物』そのものに回収の力を与えるもの…それが、今日学ぶべきテーマの一つです」 神崎さんはそう言って、ゆっくりと俺に視線を向けた。

「例えば、『留置権』というものが、今回のケースで考えられます」 「リ、リユウチケン…?」 また新しい、難しそうな法律用語だ。俺は頭が真っ白になった。サーバーを取り返したいという俺の直感が、法律用語とどう繋がるんだ?

3. 神崎の法務レクチャー:モノに宿る回収の力「留置権」「先取特権」

【神崎の法務レクチャー】 「青木さん、よく聞いてください。前回、私たちは『債権』の話をしましたね。特定の人(債務者)に対して、お金を払えとか、物を引き渡せと要求できる権利のことです」

「はい。テックイノベーション社に対して、サーバー代金を払えって要求できるのが俺たちの『債権』っすよね」俺は力強く頷いた。

「ええ、その通りです。しかし、債権はあくまで『特定の人』への請求権であり、その債務者がお金を持っていなければ、いくら請求しても回収できません。そこで重要になるのが、『物権』という概念です。民法には大きく分けて『債権』と『物権』という2つの権利があります」

「物権…債権とはまた違う概念なんすか?」

「全く違います。債権が『特定の人』に対してのみ主張できる権利であるのに対し、物権は『誰にでも主張できる』、非常に強力な権利なんです」 神崎さんは、ゆっくりとホワイトボードに「債権」と「物権」と書き、違いを並べた。

「イメージとしては、債権が『特定の人に宛てたラブレター』だとすれば、物権は『誰が見てもその人が所有者だとわかる結婚指輪』のようなものです。指輪の所有権は、たとえ第三者が『あの指輪は俺のものだ!』と主張しても、正当な所有者であれば誰にでも『これは私の物だ』と主張できますよね?これが物権の強みです」

「なるほど…!誰にでも主張できるって、そんなに強い権利なんすか!」 俺は感嘆の声を上げた。テックイノベーション社が「サーバーはもうウチのだ!」と言っても、「いや、これはビジラボのだ!」と言い返せる…そういうことか?

「そうです。そして、この『物権』の中でも、青木さんの今の状況に特に関連性の高いものが、『留置権』と『先取特権』です」 神崎さんはそう言って、深く頷いた。

「まず『留置権』ですが、これは簡単に言えば『他人の物を占有している者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を引き渡すことを拒否できる権利』です」

「えっ…!それって、俺が言ってた『サーバーを取り返す』って話と、ほとんど同じじゃないっすか!?」 俺は驚きで目を見開いた。まさか、自分の直感が法律で認められた権利だったとは。

「概念としては非常に近いですね。ただし、留置権が成立するにはいくつかの厳格な要件があります」

「へぇ、どんな要件なんすか?」

「第一に、『他人の物を占有していること』。これは物理的にその物を手元に持っている、ということです。今回のケースで言えば、もしあなたがテックイノベーション社からサーバーを一旦引き上げて、物理的にビジラボのオフィスに持ってきたとすれば、この要件を満たす可能性があります」

「え、引き上げてもいいんすか!?斉藤、さっきダメって…」俺が斉藤に視線を向ける。 「無断で勝手に引き上げるのは、法的に問題になる場合があります。しかし、相手が債務不履行に陥り、交渉が決裂した場合に、法的な手続きを経て占有を移すことはあり得ます」神崎さんが補足した。

「第二に、『その物に関して生じた債権があること』。つまり、そのサーバーの設置や開発によって生じた未払い代金、これがまさに『その物に関して生じた債権』と言えます。サーバー自体にかけた費用や労力に対する対価ですね」

「まさにそうだ!サーバーを作って設置したから、代金が発生してるんだ!」

「第三に、『その債権の弁済期が到来していること』。これも今回のケースでは満たしていますね。支払期日は過ぎています」

「はい!」

「そして第四に、『その占有が不法行為によって始まったものではないこと』。例えば、泥棒をして物を手に入れたとしても、当然留置権は主張できません。あなたの場合は、正当な契約に基づいてサーバーを設置し、その後に未払いが発生したのですから、この要件もクリアしやすいでしょう」

【神崎の補足解説】留置権(りゅうちけん)とは? 定義: 他人の物を占有している者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を引き渡すことを拒否できる物権(民法295条)。 ビジラボへの影響: サーバー設置・開発の代金が未払いの場合、そのサーバーを物理的に占有することで、相手に支払いを促す強力な手段となる。ただし、勝手に持ち去るなどの行為は問題になるため、専門家と相談の上、適切な手続きを踏む必要がある。あくまで「引き渡し拒否」という形で圧力をかけるものであり、優先的に代金を回収できるわけではない点に注意。

「つまり、俺がサーバーを合法的に確保すれば、その代金が支払われるまで渡さない、と主張できるってことっすか!?」 俺の顔に希望の光が差した。

「ええ、その通りです。留置権は、相手方に心理的な圧力をかけ、債務の弁済を促す非常に有効な手段となり得ます。ただし、留置権はあくまで『引き渡しを拒否する』権利であって、『優先的に代金を回収できる』権利ではありません」

「優先的に回収…?」

「はい。例えば、テックイノベーション社が倒産して、他にもたくさん債権者がいたとします。その場合、留置権を持っているからといって、あなたが他の債権者よりも先にサーバーを競売にかけて代金を回収できるわけではないのです」

「え…じゃあ、もし倒産したら、結局は他の債権者と同じ扱いってことですか?」

「基本的には、そう考えるのが妥当です。しかし、そこでもう一つの強力な物権、『先取特権』が役に立つ場合があります」

「先取特権…?」

「はい。『先取特権』とは、法律で定められた特定の債権を持つ者が、債務者の特定の財産から、他の債権者に先立って弁済を受けられる権利です。これはまさに『優先的に回収できる』権利なんです」

「すげぇ!それこそ、俺が求めてたやつじゃないっすか!」 俺は思わず前のめりになった。

「先取特権にはいくつかの種類がありますが、今回のケースで関連性が高いのは『動産売買先取特権』というものです。これは、動産(今回の場合はサーバー)の売主が、その動産の代金債権について、他の債権者よりも優先的に、その動産から弁済を受けられるという特権です」

「サーバーを売った俺が、他の誰よりも先に、そのサーバーを売ったお金を回収できるってことっすか!?」

「その通りです。ただし、この先取特権も無条件ではありません。例えば、あなたがサーバーを納品した後に、テックイノベーション社が別の業者からお金を借りて、その業者にサーバーを担保として譲渡してしまっていた場合、複雑な問題が生じる可能性もあります」

【神崎の補足解説】先取特権(さきどりとっけん)とは? 定義: 法律で定められた特定の債権を持つ者が、債務者の特定の財産から、他の債権者に先立って弁済を受けられる物権的効力を持つ権利(民法303条以下)。 ビジラボへの影響: サーバーの売買代金債権について「動産売買先取特権」を行使できれば、テックイノベーション社が倒産した場合でも、そのサーバーが競売にかけられた際に、他の債権者に優先して代金を回収できる可能性がある。ただし、留置権とは異なり占有は要件ではないが、対抗要件(債務者以外の第三者にも主張できる要件)を満たすためには、特定の公示方法(例えば、登記など)が必要な場合もあるため、実務は複雑。

「なるほど…奥が深いっすね、法律の世界は」俺は唸った。 「留置権は『占有』して引き渡しを拒否することで圧力をかけ、先取特権は『優先的に回収できる』という点で、それぞれ異なる強みを持つわけです。どちらも、債権回収における強力な『物的担保』と言えるでしょう」

「じゃあ、俺たちはまず、テックイノベーション社に対して、留置権を主張するぞって交渉を仕掛けるのが有効だってことっすか?」

「ええ、その可能性は十分にあります。ただ、実際にサーバーを物理的に引き上げてしまうと、相手が『不法に占有された』と主張して、さらにトラブルが大きくなるリスクも考慮しなければなりません。まずは内容証明郵便などで、支払いを催告するとともに、法的措置(留置権の行使や訴訟)も辞さないという強い姿勢を示すことが重要です。その上で、もし状況が改善しないようであれば、裁判所を通じて『占有移転禁止の仮処分』といった保全措置を検討することもできます。これは、サーバーを物理的に移転することを禁じる命令を裁判所に出してもらうものです」

神崎さんの言葉は、冷静かつ論理的だった。俺の情熱だけでは見えなかった、回収への具体的な道筋が少しずつ見えてきた。

4. 「引き揚げ」のその先に…青木、回収の覚悟

「要はこういうことっすか、神崎さん!」 俺は興奮気味に、自分の言葉で理解を試みた。

「まず、俺たちが納品したサーバーの代金が未払い。これはビジラボがテックイノベーション社に対して持ってる『債権』。この債権を回収するために、サーバーという『物』の力を借りるのが『物的担保』ってやつなんすよね?」

「ええ、概ねその理解で問題ありません」神崎さんが頷く。

「で、もし俺たちがそのサーバーを物理的に手元に引き上げることができたら、『代金払うまで、このサーバーは返しませんから!』って言える。これが『留置権』っすよね!つまり、相手に『サーバーが使えない』ってプレッシャーをかけて、支払いを促す!」

「その通りです。ただし、サーバーを引き上げる行為が、無断の不法行為とならないよう、細心の注意を払う必要があります。それが難しい場合、裁判所を通じて占有を法的に確保する手段もあります」

「うおおお!なるほど!そして、もしテックイノベーションがマジで潰れちまったとして、そのサーバーが他の誰かに売られそうになったり、競売にかけられそうになったりしても、俺たちは『そのサーバーの代金については、俺たちが一番最初に回収する権利があるんだ!』って言えるのが『先取特権』ってことっすね!こっちは優先的に金を回収できるってのがデカい!」

俺の言葉に、神崎さんは微かに微笑んだ。 「良い理解ですね、青木さん。まさにその通りです。ただし、先取特権は、他の物権(例えば、銀行の抵当権など)との兼ね合いで、必ずしもあなたが一番有利な立場になれるとは限りません。優先順位の問題もありますし、公示方法も重要になりますから、より専門的な判断が必要となります」

「くそっ、そうか…そう簡単にはいかねぇか…」 俺は少しがっかりしたが、それでも希望が見えたのは確かだった。 「でも、少なくとも、何もしないよりは断然マシってことっすよね!?ただの債権じゃなくて、その『物』に紐づいた、誰にでも主張できる強力な権利があるんだってことを知れただけでも、デカいっすよ!」

俺は改めて、神崎さんの知見に感謝した。情熱だけで突っ走ろうとしていた自分を、法的な知識で正しい方向へと導いてくれる。 「テックイノベーション社には、まず内容証明郵便で催告書を送りつけます。その中で、留置権の発動も辞さない構えだということを明確に伝えて、支払いを要求する。それでもダメなら、すぐに弁護士さんに相談して、法的措置の具体的なステップを検討します!」

これまで、トラブルが起きると感情的に対処しようとしていた俺が、今回はきちんと法的なプロセスを踏もうと決意した。それは、まさに経営者としての成長の証だった。

「社長…!」 斉藤が、俺の言葉に少し驚いたような、しかし安堵したような表情で俺を見つめた。 「法務は、ただのルールじゃない。会社を守るための、最強の『盾』なんだ…!そして、時には『矛』にもなるんだな…!」 俺は、今回の件で改めて痛感した。会社の危機に直面した時、法律を知っているか否かで、結果は全く違ってくる。

5. 会社を守る盾、未来へ続く回収戦略

神崎さんとの話の後、俺はすぐに内容証明郵便の準備に取り掛かった。斉藤も協力してくれ、テックイノベーション社への最終通告文を作成した。文面には、期日を過ぎた代金の支払いを求めること、そしてもし支払いがなされない場合は、ビジラボが持つ「留置権」やその他の法的措置を検討せざるを得ない旨を、冷静かつ断固たる口調で盛り込んだ。

「社長、これでひとまず、ビジラボの意思は明確に伝わるでしょう」 斉藤が作成した文書を確認し、俺に手渡してくれた。

「ああ、ありがとう、斉藤。これで、向こうがどう出るか…。でも、俺たちはもう、ただ待ってるだけじゃない。自分たちを守るための武器があるんだ」 俺の心境は、以前とは全く違っていた。感情的な怒りや焦りだけでなく、法的な根拠に基づいた「次の一手」を考えることができるようになったのだ。

今回の件で、俺は「物的担保」という強力な武器を学んだ。サーバーという「物」が、まさか債権回収の切り札になり得るとは思わなかった。法律は、時として複雑で難解だが、それを知ることは、ビジネスにおいて自分たちの身を守り、時には攻めるための、絶対に必要な知識だと痛感した。

「法務、マジでヤバいけど、やるしかねぇ…。俺とビジラボの未来を守るために、もっと学ばねぇと!」 東京の夜景が、インキュベーションオフィスの窓から広がる。俺は、その輝きの中に、ビジラボの未来と、法務の重要性を改めて心に刻んだ。


2. 記事のまとめ

📚 今回の学び(神崎メンターの総括)

  • [学習ポイント1]: 「物権」と「債権」の違い: 債権は特定の人への請求権であるのに対し、物権は「誰にでも主張できる」権利であり、その点で非常に強力。

  • [学習ポイント2]: 「留置権」の活用: 他人の物を占有している者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物の引き渡しを拒否できる権利。未払い代金が発生した際に、物理的な物で圧力をかける有効な手段。

  • [学習ポイント3]: 「先取特権」の理解: 法律で定められた特定の債権を持つ者が、債務者の特定の財産から、他の債権者に先立って弁済を受けられる権利。特に動産の売買代金に関して発生する「動産売買先取特権」は、倒産時の回収において強力な意味を持つ。

今週のリーガルマインド(神崎の教訓) 「法律を知ることは、ただの知識ではありません。それは、あなたのビジネスを守り、時に攻めるための、最も強力な武器なのです。感情に流されず、冷静に、しかし断固として権利を行使する。それが経営者の責任です。」

💭 青木の気づき(俺の学び)

  • 今回のサーバー未払いで、ただ怒って感情的に動いてもダメだって痛感した。法律には、俺が直感で「こうしたい!」って思うことを、ちゃんと実現できる「権利」が用意されてるんだなって驚いた。特に「留置権」とか「先取特権」みたいな、目に見える「物」を担保にできる権利があるのは、ビジネスをやっていく上で、とんでもない安心感だ。
  • 「物権」は「誰にでも主張できる」ってのがマジでヤバい。これはマジで最強の盾であり、時には矛にもなる。これからは、契約する時も、この「物」にまつわる権利をどう確保できるか、もっと考えていこうって強く思った。

3. 次回予告

テックイノベーション社への催告書は送ったものの、依然として事態は膠着していた。そんな中、神崎さんは俺に、さらに強力な「物的担保」の話を切り出した。それは、ビジラボが将来、大きな融資を受けることになった場合、必ず直面するであろう「担保の王様」と呼ばれる権利だという。

「青木さん、もしあなたが家や土地を持っていたら、それを担保に入れることで、銀行はあなたに安心して大金を貸してくれるでしょう。それが『抵当権』です」 神崎さんの言葉に、俺は「俺の家が担保に!?」と戦慄した。

次回: 第47回 不動産は最強の担保! 「抵当権」と「根抵当権」で資金を掴め

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