「残業=美徳」は幻想。「36協定」なしじゃ、それ犯罪です。

ここで学べる学習用語:時間外労働(残業)、36協定(サブロク協定)、割増賃金
第12回: 漆黒の深夜、迫りくる納期。残業を「美徳」と信じた俺に、神崎メンターは冷たく告げた。「社長、それ、犯罪ですよ」
ビジラボ、初の大型案件の納期が目前に迫っていた。オフィスにはカップ麺の匂いが充満し、時計の針は深夜を指す。田中は相変わらずキーボードを叩き続けている。俺は「これがスタートアップの熱気だ!」と胸を熱くしていたが、その認識が、とんでもない「地雷」の上に立っていることなど、知る由もなかったのだ。
1. 漆黒の深夜、迫りくる納期──青木の“美徳”が危機を招く
「うおおお!田中くん、頼んだぞ!この山を乗り越えれば、ビジラボは次のステージだ!」
オフィスに俺の気合が響き渡る。時刻は深夜2時。モニターの光だけが煌々と輝くオフィスで、田中はキーボードを叩き続けていた。顔には疲労の色が浮かんでいるが、その目には確かな情熱の光が宿っているように見えた。俺もコーヒーを片手に、彼に寄り添う。
「社長、大丈夫っすよ!ここまで来たら、意地でもやりきります!」
田中の力強い返事に、俺は感動すら覚えた。エンジニアとして、ビジラボの未来を託せる相棒。頼もしい限りだ。先月、彼を採用した時、俺は心底喜んだ。
(そういえば、前に神崎さんに、田中くんの労働契約の話で怒られたんだっけ……『労働契約は書面で交わせ』って。あの時は『よろしく!』で済ませようとした俺を止めてくれたよな……)
第10回で神崎さんが言ってくれた言葉を思い出す。あの時は正直、「そこまで厳しくしなくても」と思ったが、今、田中が俺の目の前で文字通り寝食を忘れて仕事に没頭している姿を見ると、漠然とした不安がよぎらないでもなかった。でも、それは一瞬。すぐに「いや、これがスタートアップだ!情熱が全てだ!」という思考でかき消した。
俺だって負けていられない。営業でへとへになった体を引きずって、夜遅くまで田中と一緒に残った。時には隣で資料の作成を手伝い、時には差し入れのコンビニ飯を頬張りながら、雑談で田中の気分転換を図る。そんな日々が続いていた。
「斉藤さんも、この案件、経理処理で大変だよな……。徹夜も何度か付き合ってくれたし。みんな、俺の夢のために頑張ってくれてるんだ」
斉藤のデスクはすでに片付けられ、本人は帰宅済みだったが、彼女もこの数日はかなりの残業をこなしていた。彼女はいつも冷静で、特に経理や総務の数字については厳格だ。俺が「熱意!」とか「気合!」で乗り切ろうとするのを、いつも冷めた目で見ていたっけ。
(そりゃ、経理からすれば、深夜残業なんて『人件費』として全部跳ね返ってくるんだから、あまり面白くないよな……。でも、今回の案件を成功させれば、その人件費なんて余裕で回収できる!むしろ、みんなに特別ボーナスを出すんだ!)
俺は心の中でそう決意し、田中の背中を力強く叩いた。
「田中くん、無理はするなよ?でも、期待してるからな!」 「はい!頑張ります!」
田中の瞳がさらに輝いたように見えた。俺は「最高の仲間だ!」と、夜空に向かってガッツポーズをしたくなった。徹夜明けのカップ麺の味が、なぜかいつもより美味しく感じられた。
しかし、その「美徳」と信じていたものが、実はとんでもない「リスク」であることを、この時の俺はまだ知らない。むしろ、知らなさすぎるが故に、無邪気に喜んでいたのだ。そんな俺の前に、ある日の午後、斉藤が不安そうな顔でやってきた。
2. 静かなる警告──斉藤の言葉と神崎の影
数日後、なんとか無事に納期を乗り切り、プロジェクトは大成功を収めた。顧客からの評価も高く、ビジラボのオフィスには達成感と興奮が満ちていた。
「やったな、田中!君のおかげだ!」 「社長も、夜遅くまで付き合ってくださって、ありがとうございました!」
俺と田中は、がっちりと握手を交わした。斉藤も、いつもよりは少しだけ笑顔だ。 だが、その笑顔の裏に、ある種の不安が隠されていることに、俺は気づかなかった。
「社長、この間の残業時間の件なんですけど……」 斉藤が、どこか歯切れ悪く切り出した。
「ああ、あの頑張りには、感謝しかないよ!みんなのおかげで乗り切れた。特別な手当とか、ボーナスとか、何かできないかな?」 俺は前のめりで答えた。社員への感謝の気持ちは本物だった。
「いえ、そうではなくて……。経理処理の前に、法務的な問題が……」 斉藤は珍しく言葉を濁す。そして、その視線は、俺の後ろに立っていた人物に向けられていた。
「青木さん、また『情熱』だけで突っ走って、大切な『ルール』を見落としていたようですね」
その声の主は、神崎凛だった。いつものように、完璧なスーツに身を包み、まるでオフィスの騒々しさとは無縁な、静謐な空気をまとっている。彼女は腕を組み、冷ややかな視線を俺に投げかけた。
「あ、神崎さん!ちょうど今、大成功を収めたところですよ!この間も田中くんと夜通し……」 俺は意気揚々と語ろうとしたが、神崎はそれを遮った。
「夜通し、ですか。なるほど。青木さん、それ、『時間外労働』にあたりますよね?」 「ええ、まあ。でも、スタートアップなんてそんなもんじゃないですか。みんな好きでやってるんですし」 俺は軽く返した。スタートアップで残業なんて当たり前だ。むしろ、俺たちの「文化」みたいなものだと思っていた。
「……青木さん、その認識は『致命的』に間違っています」 神崎の声が、一段と低くなった。その言葉の重みに、俺は思わず息をのんだ。 「ち、致命的って……。何がそんなにヤバいんすか?」
「ヤバい、どころではありません。法的には、それは『犯罪』に該当する可能性すらある、ということです」 「犯罪……!?」
俺は心臓を掴まれたような衝撃を受けた。犯罪?俺が?田中くんと夜通し頑張ったことが? 「一体、どういうことですか、神崎さん……」
神崎はため息を一つつき、ゆっくりと口を開いた。 「まず、青木さんは『時間外労働』という言葉の意味を正しく理解していませんね。そして、それに付随する『36協定』、そして『割増賃金』のルールについても、全く意識がない」
聞き慣れない言葉に、俺は完全にフリーズした。「時間外労働」はなんとなくわかる。「残業」のことだろう。「割増賃金」も、残業代がちょっと高くなるやつ、くらいの認識だ。しかし、「36協定」?なんだそれ。36協定って何だ?
「青木さん、私たちビジラボは、ただの『ボランティア団体』ではありません。株式会社という『法人』です。そして、従業員を雇う以上、『使用者』として、法律で定められた義務を果たす必要があるのです」 神崎の言葉は、まるで鋭いメスのように、俺の漠然とした認識を切り裂いた。
3. 神崎法務レクチャー:残業の「常識」を覆す3つの真実
「では、青木さん。まず『時間外労働』について、根本的な認識を改めてもらいましょうか」 神崎は、いつものレクチャーモードに入った。俺は姿勢を正し、冷や汗を拭った。
【神崎の法務レクチャー】
「青木さん、労働基準法という法律は、労働者の健康と生活を守るために、いくつかの大原則を定めています。その一つが、『労働時間』に関する原則です。日本の労働基準法では、原則として、労働時間は1日8時間、週40時間と決められています。これを『法定労働時間』と呼びます。
この法定労働時間を超えて労働させること、つまり、あなたが言うところの『残業』は、実は原則として『違法』なんです。労働者と使用者の間で合意があったとしても、法律の定めに反する合意は無効となることが多い。これが大前提です。
『え、マジっすか!?』
そう思ったでしょう?多くの経営者が陥りがちな誤解です。『従業員が自ら望んだのだから問題ないだろう』と。しかし、それは違います。労働基準法は、使用者と労働者の力関係に差があることを前提に、労働者を保護するための強行規定、つまり、必ず守らなければならないルールとして存在しているのです。
では、なぜ世の中に残業が存在しているのか?それは、例外的に時間外労働を認める仕組みがあるからです。それが、次に説明する『36協定』です」
【神崎の補足解説】時間外労働(じかんがいろうどう)とは?
労働基準法で定められた「法定労働時間(原則として1日8時間、週40時間)」を超えて行われる労働のこと。原則として禁止されており、適法に行うためには「36協定」の締結・届出と、それに基づく命令が必要となる。ビジラボのようなスタートアップでも、この原則は厳格に適用される。
「青木さん、想像してみてください。あなたは今、時速40kmのスピード制限がある道を走っています。これを超えて走れば『スピード違反』ですよね?」
「はい、それは分かります」
「では、もしあなたが、どうしても高速道路を時速100kmで走る必要があるとしたら、どうしますか?」
「えーと、高速道路の標識がある道を選びます……?」
「そうです。つまり、『特別にその速度が許された区間』に行きますよね?それと同じで、会社が法定労働時間を超えて従業員に労働をさせるには、『特別にその労働が許されたルール』が必要になるんです。それが、『36協定』、正式名称を『時間外労働・休日労働に関する協定届』と言います。
この36協定は、労働基準法第36条に基づいて、会社(使用者)と、労働者の代表者(または労働組合)との間で締結される協定です。そして、これを労働基準監督署に届け出て初めて、法定労働時間を超える労働や、法定休日における労働をさせることが可能になるのです。
つまり、青木さんの会社が、法定労働時間を超えて田中さんに残業させていたのは、もし36協定を締結・届出していなければ、文字通り『無許可』のスピード違反、あるいは『無許可の工事』と同じなんです。罰則の対象となり得ます。
『36協定』は、会社が従業員に時間外労働をさせるための『許可証』のようなもの、と理解してください。この許可証がなければ、1日8時間、週40時間を超える労働は、どんなに本人が望んでも、違法なんです」
【神崎の補足解説】36協定(サブロクきょうてい)とは?
労働基準法第36条に基づき、使用者(会社)と労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者との間で締結される「時間外労働・休日労働に関する協定」。これを労働基準監督署に届け出ることにより、法定労働時間を超える労働や、法定休日における労働が可能となる。ビジラボのような小規模企業であっても、従業員を1人でも雇用すれば適用される。違反すると罰則の対象となる。
「……そ、そんなに重要なものだったとは……。俺、てっきり『残業させるなら労使で話し合っとけばいいんでしょ?』くらいに思ってました……。労働基準監督署への届出が必須、と……」 俺は頭を抱えた。
「その通りです。そして、36協定を締結し、届け出たからといって、無制限に残業させられるわけではありません。36協定には、時間外労働の上限時間も定められています。原則として、1ヶ月45時間、1年360時間という制限があります。これを超えてしまうと、また別の問題が発生します。
さらに、時間外労働をさせた場合、当然ながら『割増賃金』が発生します。これも法律で定められた義務です」
「割増賃金って、残業代がちょっと高くなるってことですよね?」 俺の質問に、神崎は頷いた。
「そうです。正確には、労働時間帯や休日の種類によって、割増率が変わってきます。 法定労働時間を超える時間外労働に対しては、25%以上の割増率。 深夜(午後10時から午前5時まで)の労働に対しては、25%以上の割増率。 法定休日(週1日の休日)に労働させた場合は、35%以上の割増率。 そして、これらが重複する場合、例えば深夜に時間外労働をさせた場合は、時間外労働の割増率25%と深夜労働の割増率25%が加算され、合計で50%以上の割増率となります。
つまり、田中さんが深夜まで残業していた場合、通常の時給に1.5倍の賃金を支払う必要があるということです。もし法定休日に働かせたのなら、通常の時給に1.35倍です。これらの割増賃金は、きちんと計算して支払わなければなりません。もし支払いを怠れば、これもまた違法行為であり、未払い賃金の問題として大きなトラブルに発展する可能性があります」
【神崎の補足解説】割増賃金(わりましちんぎん)とは?
労働基準法に基づき、時間外労働、深夜労働、休日労働に対して支払われる、通常の賃金に一定の割合を加算した賃金。時間外労働は25%以上、深夜労働は25%以上、法定休日労働は35%以上の割増が義務付けられている。ビジラボの経営においては、従業員の労働時間を厳格に管理し、適切な割増賃金を支払うことが、法令遵守の必須要件となる。
「裁量労働制とか、みなし労働時間制っていうのもありますけど、青木さんの会社は今のところ導入していませんよね?しかも、それらの制度も、導入には厳格な要件があり、簡単に『うちも裁量労働制だから』と言えるものではありません。そもそも、裁量労働制が適用される業務は限定されていますし、適切な手続きを踏まなければ無効です。
青木さんが田中さんに『頑張れ!』と声をかけ、田中さんがそれに呼応して長時間労働を行った。しかし、それは『労使が合意した善意の残業』ではなく、法的には『違法な時間外労働』であり、会社は『未払い賃金』という負債を抱え、さらに労働基準法違反で『刑事罰』の対象となり得る行為なのです」
神崎の淡々とした言葉が、俺の胸に突き刺さった。刑事罰。犯罪。その単語が、これまでの俺の「スタートアップは情熱!」というモットーを完全に打ち砕いた。
4. 猛省と覚悟──青木の「無知」がもたらす重い責任
神崎の解説を聞き終え、俺は真っ青になった。 「要は……要は、俺が『頑張れ!』って言ってた残業は、もし36協定がなかったら、法律違反で、しかもちゃんと割増賃金を払ってなかったら、会社が罰せられるってことっすか?」
俺の問いに、神崎は静かに頷いた。 「その通りです。しかも、会社だけではありません。労働基準法には『両罰規定』といって、法人が罰せられるだけでなく、違反行為をした会社の代表者、つまりあなたも個人として罰せられる可能性があります」
「俺が、刑務所に……!?」 思わず口から出た言葉に、神崎は苦笑いした。 「そこまで極端なケースばかりではありませんが、悪質な場合はあり得ます。少なくとも、労働基準監督署からの是正勧告や、場合によっては送検、罰金刑といった可能性は十分にあります」
俺は、頭の中でこの間の残業の日々をフラッシュバックさせていた。夜中のオフィスで、田中と語り合った熱い時間。あの感動が、実は法的な「無知」と「違法」の上に成り立っていたのかと思うと、背筋が凍った。
「そ、そんな……田中くんは、何も知らないで……」 俺は悔しさに拳を握りしめた。田中に感謝こそあれ、こんなリスクを背負わせていたなんて。
「青木さん。法律を知らないことは、無謀な航海に出るのと同じだと申し上げたはずです(第1回)。特に、人を雇うということは、その人の人生と健康に責任を持つということ。その重さを、経営者としてもっと自覚しなければなりません」
神崎の言葉は厳しかったが、その中に俺を案じるような響きも感じられた。
「神崎さん……俺、本当にダメダメな社長ですね……。情熱だけじゃ、会社を守れない……」 俺は心底そう思った。これまでの俺は、法律を「お堅いルール」としか見ていなかった。しかし、それは「会社を守るための地図」であり、「従業員を守るための盾」だったのだ。
「いいえ、青木さん。今、それに気づけたことが重要です。そして、これからどう行動するか、です。幸い、まだ大きな問題には発展していません。今からでも、適切な労務管理体制を構築すれば、挽回できます」
神崎の言葉に、俺の顔に少しだけ血色が戻った。
「はい!やります!まず、36協定の締結と届出を急ぎます!それから、田中くんや斉藤さんの労働時間も、ちゃんと管理しないと。どうすればいいですか?」
俺は神崎に詰め寄った。斉藤も、これまでの心配が解消され、少し安堵した表情を浮かべている。 「斉藤さん、本当にごめん!心配かけてたんだな……」 「いえ、社長。私も、なかなか言い出せなくて……。でも、神崎さんがいてくれて本当に良かったです」 斉藤は静かにそう言った。彼女の冷静さが、どれだけ俺の暴走を抑えてくれていたか、今さらながら痛感した。
「まずは、労働者の代表者を選出し、協定内容について話し合う必要があります。そして、勤怠管理システムを導入し、正確な労働時間を把握する。その上で、適切な割増賃金を計算し、支払う準備をしてください。これらは、スタートアップの成長を支える上で、絶対に避けては通れない道です」
神崎の指示に、俺は力強く頷いた。もう、無知な「情熱」だけで突っ走るのはやめよう。法律という名の「羅針盤」を手に、ビジラボの航海を進める。それが、俺の、そして会社の責任なのだ。
5. 闇夜を照らす一筋の光──未来への第一歩
神崎さんからレクチャーを受けてから、俺はすぐに行動に移した。
まず、労働者の代表として田中を選出し、36協定について丁寧に説明した。彼は俺が考えていた以上に、労働基準法に無頓着だった。
「社長、俺、夜中まで開発してるのがすごいって、勝手に思ってました……。まさか、それが会社のリスクになってたなんて……」
田中の言葉に、俺は深く反省した。やはり、経営者である俺が、一番法律を理解していなければならない。彼は、俺が真剣に労務管理に取り組もうとしていることに、理解と協力を示してくれた。
そして、斉藤とも協力し、早速、労働基準監督署に提出する36協定届の作成に取り掛かった。斉藤は、必要な書類や手続きについて、手際よく情報収集してくれた。彼女の存在がなければ、この作業はもっと混乱していただろう。同時に、勤怠管理システムの導入も検討し始めた。
今回の「残業問題」は、俺にとって大きな痛手だった。しかし、同時に、会社の足元をしっかりと固める、貴重な教訓となった。情熱だけでは、会社も従業員も守れない。法律という土台の上に、確固たる経営を築いていく。それが、これから俺が目指すべき「ビジラボ」の姿だ。
オフィスを後にする時、夜空に星が瞬いていた。その光は、まるで俺たちの未来を照らす一筋の希望のように見えた。まだまだ法務の壁は厚い。でも、俺はやる。必ず、このビジラボを、誰もが安心して働ける、素晴らしい会社にするんだ。
2. 記事のまとめ (Summary & Review)
📚 今回の学び(神崎メンターの総括)
[学習ポイント1]: 法定労働時間と時間外労働の原則:労働基準法により、労働時間は原則として1日8時間、週40時間と定められており、これを超えた労働(時間外労働=残業)は原則禁止。
[学習ポイント2]: 36協定(サブロク協定)の必須性:時間外労働や法定休日労働を適法に行うためには、労使間で36協定を締結し、労働基準監督署に届け出ることが必須。無届けの残業は違法行為であり、罰則の対象となり得る。
[学習ポイント3]: 割増賃金の支払い義務:時間外労働、深夜労働、法定休日労働には、法律で定められた割増率(25%以上、35%以上など)に応じた賃金を支払う義務がある。未払いは未払い賃金問題、ひいては刑事罰に繋がるリスクがある。
今週のリーガルマインド(神崎の教訓) 「スタートアップだからこそ、『法律なんて関係ない』という甘い認識は許されません。従業員の健康と権利を守ることは、経営者としての最大の責任であり、ひいては会社を守る盾となります。情熱の炎を燃やし続けるためにも、足元を固める『法』という羅針盤は不可欠なのです」
💭 青木の気づき(俺の学び)
- 「残業=頑張り」っていうのは、俺の勝手な思い込みだった。『情熱』だけじゃなくて、『ルール』を知って、ちゃんと守らないと、むしろ会社や社員を守れないどころか、俺自身が犯罪者になりかねないってことが、マジで怖かった。これからは、もっと法律を真剣に勉強して、ビジラボを誰もが安心して働ける、ちゃんとした会社にする。
3. 次回予告 (Next Episode)
無事に36協定の届出に向けて動き出した俺。労務管理って思ってた以上に大変だけど、これも未来のためだと気合を入れ直す。そんな中、斉藤さんから「田中さんの有給休暇、半年後に発生しますね」という一言が。え、うちみたいなスタートアップでも有給って発生するの?しかも、有給以外にも、男女雇用機会均等法とか育児・介護休業法とか、いろいろあるって神崎さんが言い出して……。
次回: 第13回 社員の「権利」! 年次有給休暇と休業法

